
出典:「月刊 食品工場長」

- 現在、約390億円規模といわれる無菌包装米飯市場。94年、この市場へ本格的に参入し、成長の牽引役を果たしてきたのがテーブルマーク株式会社(本社:香川県観音寺市)だ。冷凍エビフライの生産・販売からスタートし、冷凍食品業界で確固たる地位を築いた同社が、次なる成長市場ととらえたのが「米飯」という主食分野だった。日本一の米どころ、新潟県魚沼に立地する新潟魚沼工場は、その新たな挑戦を実現するための最前線基地。無菌包装米飯の主力工場であり、冷凍米飯と合わせ日産約37万食を生産している。89年に分譲を開始した南魚沼市大福寺工業団地の一角、塩沢石打ICから7㎞と交通の便がよく、豊富な地下水に恵まれた好立地に建つ。敷地面積は、工業団地の分譲面積のほぼ8割に当たる約4万3013㎡。第一工場(無菌包装米飯ライン、冷凍米飯ライン、冷凍麺ライン、無洗米ライン、ミネラルウオーターライン)と第二工場(無菌包装米飯ライン)、第三工場(倉庫)があり、延床面積は約1万8672㎡に上る。従業員数は160人。合計5工程16ラインが稼働し、2交代で作業に当たっている。敷地内には、精米工場もある。新潟県の大手米卸、㈱新潟ケンベイとの合弁会社である㈱魚沼ライスを95年に設立し、米穀原料の納入、保管、精米から、鮮度管理と衛生管理を行っている。また新潟魚沼工場は、ISO認証取得についても積極的に着手。04年1月にISO14001、同年10月に9001、07年3月には22000を認証取得しているほか、06年1月にはミネラルウオーターにおいても厚生労働省から総合衛生管理製造過程(HACCP)の承認を受けている。加ト吉の東日本地区の拠点となる新潟魚沼工場を、吉岡清史工場長と品質管理の樋口仁氏に案内していただいた。

- 最初に、工場の主力商品となる無菌包装米飯を生産する第二工場へ。94年、第一工場に舟形無菌米飯ライン(1号機)が完成した後、第二工場に次々とラインを増設してきた。今夏前にはまた新たに無菌米飯ラインが稼働する予定だ。今回は第5号機ラインを拝見する。室内は陽圧管理で、ロールフィルターと中性能フィルターを通した空気を取り込み、最高クラスの清浄度を保っている。無菌包装米飯の製造工程は、洗米→加圧加熱処理→加水→炊飯→シール→蒸らし→冷却→包装。
まず、原料米は壁越しに隣接する精米工場から搬送され、目の細かいメッシュを通って洗米タンクへ。流水で洗った後、吸水安定域まで浸漬。そして米の表面の水をぬぐった後、トレーに充填していく。トレーが炊飯釜の代わりになるのだ。続いて米の表面を平らにならし、連続式加圧加熱殺菌機へ。米にダメージを与えることなく瞬間的に高温加圧殺菌するのが大きな特長だ。「これを見てください」。差し出されたのは、加圧加熱殺菌する前と後の米。「レトルトのように高温加圧を長時間続けると、粒感のないご飯になっておいしくありません。精米・洗米工程で除菌し、菌数を抑えてから、瞬間的に殺菌処理することで、ご飯の粒感もしっかりと残り、ふっくらとしたご飯ができます。これが高温加圧殺菌の二次的な効果であり、加圧加熱殺菌工程はおいしいご飯を作るための準備工程といえます」と吉岡工場長。ちなみに、この工程はオペレーションPRP(OPRP)に設定している。

- 炊き水の充填室は、高度清潔区域。加圧加熱した後で製品が暴露される個所であることから、ヘパフィルターを使って清浄度を上げている。炊き水が充填された米は、トレー(容器)のままでゴンドラに載せられ蒸気炊飯される。そして再び、高度清潔区域に入る。あつあつのご飯をシール包装するクリーンルームだ。トレー表面の突起部をシールして密封してから、外側のローレット部分をシールし、トリミングする。クリーンルームから出てきた製品は「水分を均一にする」ため、この先の蒸らし・冷却工程から上下反転して流れる。さらにおいしくするために、蒸らし工程をくぐらせ、続く冷却槽では、チラー水で冷却、製品温度を20度C以下にする。洗米・浸漬からここまでの所要時間は約2時間。清掃は深夜2時に製造が終了した後で行う。清掃作業全般は、トレーニン
グを受けた専門業者に委託しているが、品質管理のメンバーが必ず清掃状況やラインの衛生度を確認している。「洗浄や殺菌、清掃に5時間かかるので、稼働時間はこれ以上延ばせません。そのため生産量を拡大する際、ラインを増設することを選んできました」と工場長。この後、製品は乾燥機、X線異物検出装置、金属検知機を経て、印字・包装工程へ。CCPに当たるのはX線異物検出装置とリークテスター。リークテスターは、1時間に1回、24カプセルすべてにテストピースを流して、精度に問題がないかをチェックしている。 

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- 次に第一工場へと移動し、冷凍麺ラインを中心に見ていく。冷凍麺の製造工程は、原料粉・加水・ミキシング→麺帯→圧延→麺帯カット→ゆで→凍結→包装となっている。まずは生麺を作るところからスタート。20禔サイロ(4基)からエア搬送された小麦粉に塩と水を混ぜ、ミキサーで練り上げていく。麺ラインは、香川の麺機メーカーとタイアップし、讃岐うどんの製法を忠実に再現、かつ大量生産することを目的に開発したもの。ローリングプレスで生地玉を作り、熟成後圧延する。「通常は大きな圧延ロールで伸ばしますが、圧延の前に機械で押さえながら、ゆっくりと生地を左右に伸ばしていきます。生地へのダメージを少なくするのが狙いです」次の包丁切りラインも見応えがある。トントンと、規則正しい裁断音が聞こえてくる。包丁切りの裁断面の角はきれいな直角となっており、これによってのどごしの良いうどんが出来上がる。ミキシングから麺の切り出しにかかる時間は、約3時間。生麺は2つのゆで槽に振り分けてゆでる。洗い槽でヌメリを取って荒冷却。リフトに載せて冷却槽の中で冷却しながら、ここで玉取りをする。1食の重量は150~250g。ところで、うどんの場合、ゆで槽に残る釜カスが異物になる危険性がある。これに対しては「作業終了後の清掃が一番大事。十分な水とお湯を使用し、高圧の洗浄を行っている」とのこと。その後、水を切りながら凍結トレーに移し替え、金属検知機と重量検査機を通ってフリーザーへ。マイナス35度Cのフリーザーで、製品温度をマイナス20~22度Cにする。カチカチに凍ったうどんは反転させて、トレーと分離した後、金属検知機と、異物検出機を通す。包装後、3回目の金属検知機を通すが、ここがCCPに当たる。最後に、冷凍麺ラインにおいて最も気を使う点を尋ねると、工場長は即座にこう答えてくれた。「温度管理ですね。凍結が緩むと食感がなくなるため、工場内温度を年間を通して15~20度C以下に設定するとともに、フリーザーから出て箱詰めまでの時間を短縮しています」竣工以来、度重なるラインの拡張に追われる一方、3つのISO認証取得活動に取り組んできた新潟魚沼工場。それを成し遂げられた背景には、工場長の強いリーダーシップと現場重視の品質管理体制があったようだ。
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- 新潟魚沼工場と同様、ISO 14001、9001、22000認証を取得している株式会社魚沼ライス。注目すべきは、その徹底した異物除去の仕組みだ。玄米の段階で、まず流下式選別機を通し玄米タンクに入れた後、石抜機で石などを除去。次に精米後、ロータリーシフターで砕米や異物を取り除き、色彩選別機を2回通す。精米タンクに入った後、再び色彩選別機にかけ、金属選別機を通して計量タンクへ。さらに流下式選別機を2回通して、フレコンに詰める。気になるのは、品種切り替え時のコンタミだが、それについても空回ししてから次の品種を投入し、事前精米するなど対策を講じている。一方、無菌米飯に関しては、米の付着菌の除去と増殖防止のために、搗精技術と鮮度管理にこだわり、温度と時間の相互関係を徹底究明している。



























