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- 当社では2000年度を起点として「2010年度までに15%のCO2排出量削減を目指す」とする長期目標を掲げている。06年度は17・5%と、この長期目標には到達しており、その後は単年度ごとに新たな目標を立て、冷凍機の高効率化やボイラーの熱効率向上などを通して積極的なユーティリティー改善を進めている。
- 新潟魚沼工場の07年度実績によると、燃料由来のCO2排出量は年間1万8408㌧、購入電力由来の同排出量は7717㌧。国内直営7工場で最大の生産規模を誇るだけに、当然ながらCO2排出量も大きい。このため、テクニカルな部分でも改善に向けた投資に余念がなく、同工場の取り組みが全社のモデルケースになることも多い。
- 具体的には、熱関連機器でのインバーター制御装置の活用や、複数のボイラーを集中制御し、無駄のない運転を可能にするボイラーの最適化整備、また冷凍機モーターに変圧器や配電線路損失の低減を図り、電力ロスを抑える「進相コンデンサ」を導入したことなどが主な改善事例である。

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- 「エコキュートは、概念自体は以前から意識していましたが、食品工場での活用とどう結び付くのか、当初はイメージできませんでした。ところが、仕組みを自分たちの工場に落とし込み、熱源と活用できそうな温熱、冷熱を探ってみると、どれだけの消費エネルギーを削減できるのかが具体的なかたちで理解でき、そのメリットを確かに実感しました」(新潟魚沼工場・工場長 吉岡清史氏)
- 08年は原油高が深刻になり、こうした背景も後押ししたが、最終的にはコストメリットだけでなく、企業責任として「CO2の削減につながることなら、積極的に挑戦しよう」という金森哲治社長のトップ判断の下、同年夏に全工場でのエコキュート導入計画が決定した。
- プロジェクトは新潟魚沼工場での導入を足掛かりに善通寺工場にも展開、順次、香川県内の各工場に拡大する流れで4月現在も続いている。

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- 「どの熱源をどこでどのように有効活用するか、課題はないか。導入に当たっては前川製作所さんとともに工場全体を細かく見渡し、最適なシステムを練っていきました」(新潟魚沼工場・課長代理 近藤武夫氏)
- 実際に組み上がったシステムは図の通りである。設置工事は08年12月に着手し、約2カ月半の工期で進められた。
- エコキュートの主要システムとしては、水熱源を利用し、同時に温水・冷水をつくる①「冷温同時型ヒートポンプ」を1台、周囲の空気を熱源に温水をつくる②「空気熱源型ヒートポンプ」を2台導入。また、付帯設備として、つくられた温水を一時的にためる25㌧のタンクを新設した。エコキュートでの水熱源の利用は、食品業界でも先駆けた取り組みである。
- ①では無菌包装米飯ラインの蒸らし工程後に設けられた冷却槽の水(20度C)を熱源として、冷凍めんゆで槽の張り水で使用する90度Cの温水をつくり出すとともに、同冷却槽に戻す15度Cの冷水も同時に生成する。
- 「従来、冷却槽の冷水(チラー水)をつくり出すには別途、冷凍機が必要でしたが、エコキュートの導入により、撤去することになりました」(同)
- 一方、②は出荷準備室に設置し、室内の空気を熱源として、①と同じく冷凍麺のゆで槽で使用する温水をつくりながら、吸熱効果により出荷準備室の温度を下げる空調の役割も担う。
- 「この出荷準備室の温度管理は大きな課題となっていました。冬場はよいのですが、夏場には温度が上昇することもあります。ただ、室内面積が約200㎡と広く、空調機の設置は大きなコストアップになりますし、エネルギーも大量に消費してしまいます」(吉岡工場長)
- 出荷準備室は冷凍保管庫からトラックまでの通過場所にすぎないため、実際には製品温度が上がってしまうリスクはほとんどないが、より食品安全レベルを上げるため、この場所の空気を吸熱することに決めたという。省エネと食品安全の両立である。

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- ①、②の両ヒートポンプでつくられた温水は、一部ボイラーの給水予熱(60度C)にも使用され、これによりボイラーの燃焼効率も大幅にアップした。
- エコキュートによるこうした一連の仕組みづくりで、同工場のCO2排出量は年間で220㌧の削減を見込んでいる(注2)。これは年間約8万ℓのA重油、または年間約50万kWhの電気に相当する。
- そして、温熱と冷熱を一台の機器で取り出せるという特長を生かすことで、まだまだヒートポンプ活用の可能性は広がりそうだ。
- 例えば、ミネラルウオーターの製造ラインでは、CIPによる洗浄・殺菌でエコキュートの温熱が活用できる。また、同工場では96年からインラインブロー(自社工場内でのペットボトル成型)を行っているが、成型工程の金型を冷やすための冷却水をつくることなども視野に入れている。
- 「インラインブローは物流コストの低減が図れ、衛生管理面でも有利なため導入しました。ただ、工程上、蒸気を大量に使い、一方で冷却も行わなければなりませんので、エネルギーの無駄も多いのです。エコキュートはまさにこうした製造環境で生かせるのではないかと思います」(吉岡工場長)
- 日々のエネルギーをどれだけ消費し、どんな無駄があるのか。「足元をきちんと見据え、現場の状況を的確に把握すること」が省エネへの新たな取り組みの前提条件だと吉岡工場長は強調する。重油や水、電気の使用量、こうしたデータを取得・記録し続けることはもちろんだが、エコキュートをフル活用する時代が到来したならば、工場内の「熱源を探し出す」作業も重要な現場把握の一つになるといえるだろう。
